- コラム
- 2009.07/17.09:00



ハイテンションなテキストの激流に呑み込まれる楽しさ――東京皇帝☆北条恋歌 2
角川スニーカー文庫の「東京皇帝☆北条恋歌」。82年前のクーデターで誕生した独立国家・東京帝国。
その東京帝国で宰相として激務に忙殺されていた南徳原来珠は、学生たちを見て、「楽しそうだから」とフィアンセ・西園寺一斗の通う皇泉学園への転入を決める。その親友の姿を見て「おもしろそうだから」と一緒に転入を決めたのが、第3代東京皇帝・北条恋歌。
「せっかくだから」ともう1人の親友、東京帝国軍司令長官・東小路ゆかり子の転入手続きも勝手に進めたため、教室の片隅に帝国の中枢が集結。事情のまったくわからない一斗は、超VIPの彼女たちに振り回され続けることに……というのが話の始まり。
常にアクセル踏みっぱなしのハイテンションな会話と、対象層がピンポイントな笑いのネタを過剰に詰め込んだテキストで定評のある竹井10日先生のオリジナル作品だ。
本作では、子供の頃の思い出話に盛り上がる中、一斗の初恋の相手がゆかり子だったことが判明。しかし、その事実を認めたくない来珠が、初恋を覆すために徹底調査を始め、初恋だけでなく大事件の真相にまでたどりつく……という前作同様に本編の話が進んでいるのかわからない展開だ(そもそも本編の話自体がどの部分なのかわかりません)。
とはいえ、新たなキャラクターの登場も含めて、一斗を中心とした人間関係が徐々に動き出し、特に来珠と恋歌の関係が大きく変わりつつあるのは確かだろう(最後の引きも含めて)。
竹井10日作品には珍しく、主人公(一斗)が巻き込まれるタイプなので、個性的なヒロインたちによるドタバタラブコメとしては、わかりやすく読み進められる。もちろん、相変わらずの竹井10日テキストなので、ハイテンションなやり取りは健在。
この「付いてきてくれる人は付いてきてください」的なノリに取り残されなければ、ピンポイントな笑いのネタも含めて、最後まで堪能できるはずだ。流れに身を任せて楽しんでいただきたい。
【東京皇帝☆北条恋歌 2(角川スニーカー文庫)】
著者:竹井10日
イラスト:要河オルカ
出版社:角川書店
発売日:発売中(2009年6月1日)
(梶原製作所)
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