流行ファッションの発信地イタリアを舞台にした服飾コミック ―― 王様の仕立て屋~サルト・フィニート~(22)
コミックの購入動機には、いくつかのパターンがあるかと思います。
その作者の作品が好きだからという“指名買い”。
その作品が面白いと聞いたからという“批評買い”。
表紙の絵柄や帯の宣伝文句が気になったからという“カバー買い”。
購入動機の多くは“批評買い”か“指名買い”だと思いますが(コミック誌で読んだとか、アニメで興味を持ったとかは、指名買いにくくられるかと思います)、今回ご紹介するのは、すでに6巻が発売されていた時点で私が“カバー買い”をした作品です。
独特で格好の良い表紙デザインが気になっていましたので、とりあえず1巻を読んでみようかと購入したら、どっぷりとはまってしまいました(笑)。
それでは、「スーパージャンプ」にて好評連載中の、「王様の仕立て屋~サルト・フィニート~」という作品を紹介いたしましょう。
本作の主人公は、織部悠(おりべ・ゆう)。
“ミケランジェロ”と賞賛されたナポリの伝説の仕立て屋、マリオ・サントリヨが唯一認めた弟子であり、神がかった服飾の技術を持つ仕立て職人です。
彼が開いているサルトリア(略してサルトと呼ばれる仕立て屋)には、今日も無茶な注文が舞い込みます――。
基本的には、服飾のうんちくとともに、それに関連した人間ドラマを描く物語です。
1話完結のエピソードが多く、はじめて読んだ時には、服飾版の「美味しんぼ」という感想を持ちました(笑)。
若い巻数のエピソードは、織部の個人サルトへの注文に関連したものが多く、彼の職人としての腕をこれでもかと見せつけます。
創立メンバーが全員20代の女性というジラソーレ社が作中に登場してからは、ジラソーレ社の個性的な美女たちとのコミカルかつハートフルなエピソードが多くなり、作品の魅力をさらに押し上げてくれています。
さて、最新の22巻は、自転車に乗っても型崩れしないスーツを作ろうという、21巻から引き続いたエピソードからのスタートです。
型崩れしない技術を求めて、ジーンズの工場を見学するため倉敷市児島を訪れた織部とその一行は、そこで意外な人物と出会い、日本各地を旅することになります。
服飾に関係した面白い知識がいろいろと手に入るのも、本作の魅力のひとつであり、最新巻でも、ジーンズや皮革製品、注文靴、ホールガーメントから冠婚葬祭の着こなしまで、興味深い知識が満載ですよ。
本作ですが、長い巻数を今から購入するのはどうも……という方向けに、時系列に関係なく抽出された傑作選シリーズが4冊発売されていたりしますので、興味のある方はそちらから入っても良いかとも思います。
ただ、できれば、1巻からしっかりと読んでもらいたいですね。
登場するキャラクター同士の掛け合いは、長い話数を重ねてその面白みが増すわけですから、特定のエピソードだけ切り取って読むのは、ちょっともったいないかなと思います!
……ちなみに、ナポリタンがナポリとまったく関係のない、日本で生まれた料理という事実を私が知ったのは、この作品でした(笑)。
【王様の仕立て屋~サルト・フィニート~(22)(ジャンプ・コミックス デラックス)】
著者:大河原 遁
原案協力・監修:片瀬平太
出版社:集英社
発売日:発売中(2009年5月1日)
(KIO)
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2009/05/18 00:03
この作品の大ファン 修行中 ともうします
私とこの作品の出会いは、スーパージャンプ連載時、コーデュロイの話でした
話は親子の王道物の話でしたが、コーデュロイと日本の関係、
織部たちのコントのような会話の描写、私のつぼをつきました
古本屋に回って、単行本を探し回り、4巻をみて、さらに驚きと興奮を覚えました!
なんと、花に止まった蜂を一瞬で縫い付ける美女の絵!
2週間かけてそのときに出ていた単行本を、すべて買い揃えました
それほど衝撃を受けた作品だったのです
22巻はわれわれ日本人が誰もが持っている喪服の話もありますので、喪服の着こなしと作法も勉強してみては?
世界をまたに駆け、次はどこの国のスーツ事情になるのか楽しみです
あと、私も王様の絵を描いてPIXIVに投稿してますので、一度遊びにきてみてください
ちなみに画像の外人は鉢を縫い付けた美女(ラウラ=ツインテール)の父親です